こんにちは、音楽漬け人間にょけんです。
スピッツの「春の歌」ってラブソングに思われがちじゃないでしょうか?
ただ、ファンクラブ会員の僕からすると、スピッツの軌跡を歌っているように思えてなりません…!
てわけで、今回は僕なりの解釈を紹介いたします。
Contents
1番Aメロ
「慎重に歩み、目標を超えてきた」

重い足でぬかるむ道を来た
トゲのある藪をかき分けてきた
食べられそうな全てを食べた
長いトンネルをくぐり抜けた時
見慣れない色に包まれていった
実はまだ始まったとこだった
ポイントに分けて、解釈していきます。
- 「重い足」なのはなぜか?
- 「食べられそうな全て」とは何を表す?
- 「長いトンネルをくぐり抜ける」は何を表す?
- 「見慣れない色」は何を表す?
重い足
これは、スピッツの歩みが遅かったことを暗示しています。
実は、スピッツは遅咲きのバンド。
ロビンソンの大ヒットは、デビューから7年目のことでした。
鈍足だけど、いろんな障害を1つずつ乗り越えてきたことを述べているのでしょう。
食べられそうな全て
何でも食べるのではなく、「食べられそうな」全てっていうのが、いかにもスピッツらしいです。 笑
というのも、スピッツは基本的に慎重派なんですよ。
一例を示しましょう。
スピッツのインディーズ時代、新しく始まるテレビ番組(音楽バラエティ)への出演依頼がありました。
インディーズバンドにとって、テレビ番組出演なんて大チャンスです。
しかし、スピッツは「どんな番組か見てから判断する」と回答します。
チャンスが無くなるかもしれないのに、いったん持ち帰るんですね。
この決断は、なかなかできることじゃないです。
結局、第1回放送を見て、「これはスピッツに合わない」と断りを入れるんですね。
いやぁ、慎重派。
長いトンネルをくぐり抜ける
長いトンネルは、スピッツがバンドとして最初に立てた目標を暗示しています。
バンド結成時、スピッツの最終目標は、「新宿ロフトというライブハウスで演奏すること」でした。
当時、人気バンドじゃないと出られなかったのが、この新宿ロフトです。
紆余曲折を経て、スピッツは対バンで新宿ロフトに出演します。
このとき、長いトンネルをくぐり抜けたのでした。
しかし、これでは終わらないんのですね〜。
次をご覧あれ。
見慣れない色に包まれていった
「新宿ロフトでの演奏」という目標をクリアしたスピッツですが、演奏後に感じたのは達成感ではありませんでした。
「まだできることがあったはずだ」という後悔と、「ロフトでワンマンライブがしたい」という更なる夢だったのです。
「見慣れない色に包まれていった」とは、まさにこの時の感情を表す歌詞に見えます。
歩みは遅いが前進した
目標をクリアしたときに感じた
さらなる夢を目指そうと
1番Bメロ
「夢は諦めきれないから素直になれ」

「どうでもいい」とか
そんな言葉で汚れた
心 今放て
ここは、素直に読んだ通りですね。
ちょっと補足すると、「どうでもいい」は、正確には「もうどうでもいいや」だと思います。
「もうどうでもいいや」なんて言葉で
心は汚れてしまったかもしれない
今は素直に心を解き放て
1番サビ
「夢を叶えた自分に向かって進め」

春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
サビですが、漠然とした言葉が多いですね。
- 「春の歌」とは何を表す?
- 「愛と希望より前に響く」とはどんな意味?
- 「君」とは何を表す?
春の歌
Bメロで「心を解き放て」と述べた直後なので、「始まりを告げる音」を意味すると考えられます。
僕は、鐘の音を思い浮かべますね。
愛と希望より前に響く
春の歌=「始まりを告げる音」が、愛と希望より前に響くわけですね?
言いかえれば、「春の歌が響いた後に、愛や希望が現れる」ということです。
となれば、愛と希望が何を指すかを知りたいですね?
スピッツの軌跡を歌ったものと考えれば、
- 愛=「応援してくれる人」
- 希望=「夢」
と考えられないでしょうか?
君
君を「恋人」と考えると、少々解釈が行きづまります。
なぜなら、君は「遠い空に映っている」ので、遠距離や死別というニュアンスを感じます。
これは、あまりにも春の歌とは遠いですよね?
てわけで、君は恋人ではないと仮説が立ちます。
では、君とはなんでしょう?
僕は、君=「夢を叶えた自分」だと考えます。
夢を叶えた自分に向けて始まりを告げる音を鳴らすってことは、夢に向かって進み出したと言い換えられるでしょう。
始まりを告げる音が鳴る
応援者や夢は後からついてくる
夢を叶えた自分にも届いているか?
2番Aメロ
「努力が報われるときが来た」

平気な顔でかなり無理してたこと
叫びたいのに懸命に微笑んだこと
朝の光にさらされていく
ここは分かりやすいですね。
気になるところは、「朝の光にさらされていく」でしょうか?
さらされていくものは、以下の2つですね。
- 「平気な顔で無理してたこと」
- 「叫びたいのに懸命に微笑んだこと」
夢とセットで語られる「努力」の部分です。
これが「朝の光」を浴びるんですよ。
つまり、努力が報われる時が来たわけです。
マサムネの歌詞って、ポジティブのゴリ押しがないんですよね。
「いつか夢は叶う!」とかじゃなくて、「影の努力が朝の光にさらされていく」のです。
詩的で素晴らしいですね。
平気な顔でかなり無理してた
叫びたいのに懸命に微笑んだ
その努力が、報われる時がきた
2番Bメロ
「夢を諦めかけたこともあった」

忘れかけた
本当は忘れたくない
君の名をなぞる
ここでも気になる点を取り上げます。
- 「忘れかけた」のは何?
- 「本当は忘れたくない」のはなぜ?
忘れかけた
「忘れかけた」がかかっている言葉は、君の名ですね。
1番のサビと同じく、君=「夢を叶えた自分」とすると、「自分の夢を忘れかけた」とわかります。
本当は忘れたくない
自分の夢を忘れかけたが、本当は忘れたくないんですね。
それは、心の底では諦めきれないからでしょう。
すると当然、君の名をなぞる=「夢を繰り返し思い出す」と分かります。
何度も諦めかけたけど
どうしても諦めきれなかった
夢を心の中で繰り返した
2番サビ
「自ら夢への道を断つな」

春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
1番とは、若干違いがありますね。
- 「愛も希望もつくりはじめる」とはどんな意味?
- 「何処までも続くこの道」は何を表す?
愛も希望もつくりはじめる
まずは、1番と同じ言葉のおさらいをしましょう。
- 春の歌=「始まりを告げる音」
- 愛=「応援してくれる人」
- 希望=「夢」
これを踏まえると、2番のサビでは、「始まりを告げる音が鳴ると、応援者や夢をつくりはじめる」と言っています。
つまり、「行動を起こしてみれば、応援者や夢が生まれてくる」と言っていますね。
何処までも続くこの道
「道」なので、どこかへ向かっているのでしょう。
もうお分かりかと思いますが、夢へ向かっています。
これを「遮るな」と言っているので、夢を諦めるなと述べているんですね。
ただ、「何処までも」続いている理由はなんでしょうか?
ちょっと、1番Aメロを思い出してください。
スピッツは、夢が叶った後も、さらなる夢を追いかけたのでしたね?
このことを、「何処までも」という言葉で表しているのでしょう。
始まりを告げる音が鳴る
応援者や夢が生まれはじめた
夢を自ら諦めたりするな
Cメロ
「本能のままに、しかし着実に進んでいく」

歩いていくよ サルのままで孤り
幻じゃなく 歩いていく
どう考えても謎な単語「サル」がありますね。
- 「サルのままで」は何を表す?
- 「孤り」なのはなぜ?
- 「幻じゃなく歩いていく」はどんな意味?
サルのままで
サルが野生の象徴だと考えると、サルのままで=「本能が赴くままに」という意味に理解できます。
人間だからこそ、諦めなんて考えがよぎる。
それなら、いっそサルのように「やりたいことをやろう」と。
こんな決意に読み取れませんか?
孤り
今まで「春・愛・希望」というポジティブな言葉が並んでいましたが、突然「孤り」というネガティブワードが登場します。
おそらく、最終的に人間は孤独なので、「夢を追うも追わないも自分の決断次第」と述べているのではないでしょうか?
「人のせいにはできないよ」なんて主張にも見えますね。
幻じゃなく歩いていく
本能で進めといいつつも、地に足はつけろと述べていますね。
本能とヤケクソは違うってわけです。
先述した、スピッツは慎重派という事実にも紐づいていますね。
なお、「飛ぶ」「浮く」などの逃避的な表現を好むマサムネが、「歩く」をここまで強調するのは珍しいです。
それほど、決意にみなぎった歌なのでしょうね。
本能のままに進んでいくよ
結局誰のせいにもできないんだ
しっかり地に足をつけて進め
ラストサビ
「始まりの鐘を鳴らせ!」

春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
1番と2番のサビを続けて終了です。
スピッツ「春の歌」解釈まとめ
超簡単にまとめてみます。
- 1番Aメロ:「慎重に歩み、目標を超えてきた」
- 1番Bメロ:「夢は諦めきれないから素直になれ」
- 1番サビ:「夢を叶えた自分に向かって進め」
- 2番Aメロ:「努力が報われるときが来た」
- 2番Bメロ:「夢を諦めかけたこともあった」
- 2番サビ:「自ら夢への道を断つな」
- Cメロ:「本能のままに、しかし着実に進んでいく」
- ラストサビ:「始まりの鐘を鳴らせ!」
春の歌は、マサムネが「スピッツの軌跡を表現した曲」であると分かっていただけたでしょうか。
しかし、イメージを浮かべやすい言葉がチョイスされているため、誰が聴いても刺さる歌詞になっています。
この辺りは、マサムネのセンスが光っていますね。
みなさまも、ご自身なりの解釈をしてみてください!
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