こんにちは、音楽漬け人間にょけんです。
地味だがファン人気の高いスピッツの曲といえば、「歩き出せ、クローバー」ではないだろうか?
今うなずいた方、もれなくトモダチだ。
そんなトモダチたちに、僕が「歩き出せ、クローバー」における歌詞の魅力を熱弁したい。
そして、首が取れるほどうなずいて共感してほしい。
「歩き出せ、クローバー」の歌詞は「戦争と恋と人生」
この歌を一言でいうなれば、「戦争と恋と人生」だ。
「歩き出せ、クローバー」は草野マサムネが映画「フォレスト・ガンプ」に影響を受けて作った。
これは、初期〜中期におけるスピッツのインタビューを集めた著書「スピッツ」に明記されている。
1stアルバム「スピッツ」〜8thアルバム「フェイクファー」発売まで、スピッツのインタビューを集約した1冊。
各アルバムの制作秘話や、メンバー1人ひとりの2万字インタビューなど、ファンならよだれものだ。
マサムネによる作詞作曲のコダワリなどに多く言及されていて、読み応え十分の超おすすめ本だ。
とりあえず、僕もフォレスト・ガンプを観てみた。
鑑賞後に歌詞を眺めたとき、「なるほど」と思った2つをあげてみる。
※以下「フォレスト・ガンプ」のネタバレを含みます。
①1番Bメロ 「戦闘機と君の声」
戦闘機よりも あからさまな
君の声 優しいエナジー
直前のAメロでは、恋やらクローバーやら可愛らしいワードが並んでいるが、いきなり「戦闘機」が登場する。
そして、この戦闘機と対比されているのが「君の声」だ。
また、君の声は「優しいエナジー」と同意で、戦闘機よりも「あからさま」とも言っている。
まとめると以下になる。
君の声=優しいエナジー>戦闘機
解説するので、まずは上の方程式を頭においてほしい。
「君の声」とは?
「君」は、フォレスト・ガンプの主人公(フォレスト)が恋した女の子(ジェニー)と考えられる。
フォレストは、「IQが低い・うまく歩けない」など、軽い発達障がいを持っている。
そんなフォレストは、小学生の頃、スクールバスで同級生から「隣に座るな」や「向こうへ行け」など罵倒されてしまう。
しかし、ジェニーは「隣に座ってもいいよ」と声をかけてくれるのだ。
僕が注目したのは「字幕」
上に述べたシーンの字幕が、「昔の記憶はあまりない。でも、この世で一番優しい声を聞いたときは覚えている」なのである。
僕は「歩き出せ、クローバー」ありきで映画を観ていたので、「”君の声 優しいエナジー”は完全にこれだ」と感じた。
この箇所は、「戦争と恋」である。
「戦闘機」とは?
Aメロでは、恋やクローバーなどの単語が並んでいたのに、突然の戦闘機である。
これは、フォレスト・ガンプを観ないと絶対に分からない。
映画に戦争のシーンが登場するのだ。
青年となったフォレストは、陸軍兵士として戦争に赴くことになる。
戦争なので当然、激しい銃撃戦や空爆が起きる。
結果、フォレストは兵役中に出来た親友を失ってしまうのだ。
この辛い経験を乗り越えるエナジーとして、「君の声」を思い出しているのではないだろうか?
以上により、
君の声=優しいエナジー>戦闘機
という方程式が成り立つ。
また、インタビューにて、マサムネは以下の発言もしている。
フォレスト・ガンプで印象的なシーンは戦争での銃撃戦だ。
印象的なシーンが戦争であり、上記のシビアなメッセージが込められているとするならば、上記の捉え方が自然であろう。
②Cメロ 「戦争と人生」
だんだん解ってきたのさ
見えない場所で作られた波に
削りとられていく命が
混沌の色に憧れ 完全に違う形で
消えかけた獣の道を歩いていく
こちらも、「戦争」を思わせる歌詞だ。
「見えない場所で作られた波が命を削りとる」とは何を表しているだろうか?
僕は、国のトップが勝手に決めた戦争により、一般人が死んでいくことを嘆いているように感じた。
何より、フォレストはこれによって親友を失っている。
そして、後半はジェニーの人生について描いているように思える。
ここで、ジェニーの生い立ちについて触れておこう。
幼少期に酒浸りの父親から逃げる
→歌手になる夢を持つがうまくいかない
→ミュージシャン仲間と麻薬に手を出す
→身体がボロボロになる
フォレストに優しい声をかけてくれたジェニーは、このように屈折した人生を送る。
しかし、フォレストは一途なので、ずっとジェニーを思い続け、最終的にはジェニーと結婚するのだ。
が、ほどなくしてジェニーは病死。
麻薬でボロボロになった身体は、治しようがなかった。
「アル中の父親」「麻薬をすすめたミュージシャン」など、フォレストの知らないところで作られた波が、ジェニーの命を削りとっていたのだ。
そして、Cメロの後半部は、ジェニーの生き方を描いている。
“混沌の色に憧れた”ジェニーは麻薬に手を出し、フォレストとは”完全に違う形で”、なんとか道を見つけて歩いて行ったのだ。
こちらは、「戦争と人生」を表している。
ちなみに、Cメロでは楽器でも戦争を表している。
イヤホンで聞くと分かりやすいが、歪んだギターが左右に飛び交っているのように振られている。
この様子は、「銃撃戦」を想起させてならない。
歩き出せ、クローバーの歌詞は「戦争と恋と人生」
今回は歌詞のうち2ヶ所に触れたが、全体としてのテーマも「戦争と恋と人生」であろう。
なぜなら、草野マサムネはインタビューでこう語っている。
クローバーはぬくぬく育った人間の象徴
恵まれた社会でもいつ戦場で生死の境目をさまようか分からない
やはり、テーマの比重としては戦争が大きい。
そして、その中でも恋と人生を全うしていく主人公。
まさに、フォレスト・ガンプを描いている。
この裏テーマを意識して聴いてみると、楽器のアレンジなどにも面白い工夫があることにも気づくだろう。
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