こんにちは、音楽漬け人間にょけん(@nyoken_box)です。
Mr.Childrenといえばなんですか?
Tomorrow never knows?
HANABI?
NO
Mr.Childrenといえば、himawari
そんな時代が来てます。
とにかく歌詞の比喩がすごいんですよ。
出だし「優しさの死に化粧」の威力
一発目から、とんでもない比喩がご登場です。
優しさの死に化粧で
笑ってるように見せてる
「優しさの死に化粧」
これ、ヤバいです。
「死に化粧」は、葬式のときに死んだ人にしてあげる化粧のことですが、これと優しさを組み合わせていますね?
つまり、「本当は死んでいるほどツラいのに、君は優しいから無理して取り繕っている」ってことです。
この複雑な描写を、「優しさの死に化粧」の8文字で表しちゃっているんですよ。
ヤバくない???
「死に化粧」なんて言葉、普通は葬式以外で使わないです。
そのありえないをやってしまうのが、桜井和寿KazutoshiSakurai
キャリア30年でまだこんな歌詞を生み出せるかね。
恐るべし桜井ライブラリー。
2番出だし「想い出の角砂糖」の広がり
2番Aメロの歌詞をご覧ください。
想い出の角砂糖を
涙が溶かしちゃわぬように
僕の命と共に尽きるように
ちょっとずつ舐めて生きるから
「想い出の角砂糖」
砂糖じゃなくて「角砂糖」っていうチョイスがすごい。
単に「砂糖」だと、スティックシュガーのイメージじゃないですか?
ただ、「角砂糖」にすると想い出がギュッと凝縮されたイメージになるんですよ。
しかも、これだけじゃ終わりません。
「砂糖=溶ける」っていう性質を使って、「涙が溶かしちゃわぬように」と表現するんですよ。
つまり、「想い出を涙が溶かしちゃうのはダメ」って言ってるわけですね?
溶かすっていうのは、「失くしちゃう」ことです。
めっちゃ泣いた後、超スッキリすることありませんか?
これってスッキリする反面、同時に「想い出が薄くなってる」んですよね。
そんな風に忘れていくのは嫌だから、泣いて一気に溶かすのではなく、寿命に合わせて少しずつ舐めて味わおうと言ってるんです。
桜井さんは、この辺の細やかなセンスがやばい。
Cメロ〜大サビの対比表現
ミスチルはCメロと大サビもすごいんじゃあ(千鳥ノブ)
himawariでは、「Cメロ→僕」「大サビ→君」という対比を見事に描いています。
ちょっと長いけどCメロと大サビの歌詞を見てください。
諦めること 妥協すること
誰かにあわせて生きること
考えてる風でいて 実はそんなに
深く考えていやしないこと思いを飲み込む美学と自分を言いくるめて
実際は面倒臭いことから逃げるようにして
邪(よこしま)にただ生きている
ノブ〜…暗いわぁ(千鳥大悟)
そう、Cメロでは「僕は弱い人間である」と強調されています。
自虐の天才。
でも、よく見ると普通に暮らす誰もに当てはまることばっかり綴られているんですね?
特に「思いを飲み込む美学と自分を言いくるめて」は秀逸。
「相手を傷つけないため」とか「円滑に」なんて言葉で、不都合なことを押し包める僕ら日本人を表しています。
で、大サビでは「僕と真逆の君」が描かれるのだ。
だから透き通るほど真っ直ぐに
明日へ漕ぎだす君をみて
眩しくて 綺麗で 苦しくなる暗がりで咲いてるひまわり
嵐が去ったあとの陽だまり
そんな君に僕は恋してた
そんな君を僕は ずっと
まず、Cメロで出てきた「邪(よこしま)」と対をなす、「透き通る」「真っ直ぐ」が出てきます。
僕は邪な人間だから、君が眩しすぎて苦しいってことですね。
で、そんな邪な腐れ外道カス根暗人間がはびこる暗がりで、君は唯一咲く”ひまわり”なんですよ。
はい、ここでジャケットをドン

まさに暗がりに咲いてるひまわり
himawariを完璧に表すGoodジャケットですね。
で、ラスト。
「そんな君に僕は恋してた」
そう、「してた」
君はきっと死んでしまったんです。
過去形だけでこの事実を匂わせる、天才の所業。
まとめ
「ミスチルhimawariの歌詞は比喩がヤバい」
まとめます。
- 「死ぬほどツラいのに、君は優しいから無理して取り繕っている」を8文字で表す「優しさの死に化粧」がヤバい
- 「想い出が詰まっている」「涙が溶かすと想い出が薄くなる」という二重の比喩「想い出の角砂糖」がヤバい
- 「人間らしくも暗い僕を描くCメロ」⇄「明るいひまわりのような君を描く大サビ」という「対比構造」がヤバい
himawariはミスチルの中でも珠玉の名作だと思います。
大ベテランになっても衰えるどころか、過去を超えてくる桜井ライブラリーはヤバい。

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にょけん