【Syrup16g】五十嵐隆の作曲能力の高さを「生活」から読み解いてみた。

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こんにちは、音楽漬け人間にょけん(@nyoken_box)です。

Syrup16gのギター&ボーカル、五十嵐隆は過小評価されていないだろうか?

たしかに万人ウケする音楽ではないが、ソングライティング能力は天才の域だ。

どんな点が天才なのかは、以下の3つに集約される。

  1. 暗すぎてもはや明るい歌詞
  2. 独特な曲構成
  3. 同じメロディも変化をつけて飽きさせない

1つずつ解説し、五十嵐隆の作る曲の魔力をお伝えしよう。

 

①暗すぎてもはや明るい歌詞

こちらについては、別記事で解説している▼

Syrup16g(シロップ16g)の歌詞、暗すぎて逆に明るい

2018.01.15

簡単にまとめると、五十嵐の書く詞には、「ネガティブを全肯定するポジティブさ」があるのだ。

詳しくは上の記事をご覧いただきたいが、ここでは1つだけ紹介しよう。

生活/Syrup16g

君の動体視力はどうだ

そしてその目に何を見てるんだ

誰が何言ったって気にすんな

心なんて一生不安さ

「そのうち元気でるよ!」などと励まさず、すっぱり「心は一生不安」と言い切る。

しかし、だからこそ、「誰が何言っても気にすんな」に説得力が増すのだ。

「明るく振る舞えない人は、それでいいんだぜ?」と五十嵐は肯定してくれる。

根暗のジャンヌダルク。

 

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②独特な曲構成

Syrup16gの曲構成は、一般的な邦楽と全く異なる。

代表曲「生活」と比較してみよう。

一般的な邦楽の構成

イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ

→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ

→間奏→Cメロ→サビ→大サビ→アウトロ

 

【特徴】

  1. ポップなAメロで聴き手をつかむ
  2. Bメロで少し落ち着かせる
  3. サビを全力投球で盛り上げる

=いわゆる「サビ全力投球型」

 

Syrup16gの曲構成

イントロ→Aメロ→Aメロ→サビ

→間奏→Aメロ→Aメロ→サビ→Bメロ

→間奏→Aメロ→サビ→Cメロ→アウトロ

 

【特徴】

  1. Aメロから強烈なメロディ
  2. サビへはサラッと入り込む
  3. BメロやCメロのタイミングは自由

→盛り上がりを全体に分散している

詳しく見ていこう。

一般的な邦楽は、「サビ全力投球型」だ。

これは、セールスを意識した結果である。

30秒カットCMなどでインパクトを与える必要があるため、それ用にサビを盛り上げようとする。

これに伴い、Aメロ・Bメロはサビのお膳立てのようなズサンなメロディになりがちだ。

一方、Syrup16gはセールス度外視のバンド。

そのため、やみくもにサビを盛り上げる必要がなく、自由にメロディを配置できる。

1番には登場しなかったメロディが2番のサビ終わりで急に現れたり、アウトロ前にまた別のメロディをブッ込んだり、面白い工夫が見られる。

曲全体に盛り上がり要素を分散できるのだ。

ただし、これは1曲を通して聴かないと気づけないという弱点がある。

そのため、「30秒で見せ場をドン!」みたいなCMを作るのは難しい。

僕がディレクターだったら泣く。

 

③同じメロディも変化をつけて飽きさせない

先ほど、「五十嵐の曲のスゴさは1曲通して聴いてみれば分かる」と述べた。

しかし、「途中まで聴いてビミョーだったら飛ばしちゃう」という人も多いはずだ。

だから、五十嵐は「飽きさせない工夫」を凝らしている。

同じメロディを繰り返す場合、楽器のアレンジや、歌メロの一部を変える。

具体的に見ていこう。

先ほど紹介した「生活」を例に出す。

まず、Aメロ

1番・2番・3番で各々ドラムのアレンジを変えている。

 

1番:Aメロ(0:14〜0:27)(0:34〜0:47)

君に言いたい事はあるか

そしてその根拠とは何だ

涙ながしてりゃ悲しいか

心なんて一生不安さ

君に存在価値はあるか

そしてその根拠とは何だ

涙ながしてりゃ悲しいか

心なんて一生不安さ

バスドラの位置を少しズラしたエイトビート。

2・4拍目でスネアが鳴っている。

これが、2番では以下のように変化する。

 

2番:Aメロ(1:07〜1:20)

君の動体視力はどうだ

そしてその目に何を見てるんだ

誰が何言ったって気にすんな

心なんて一生不安さ

前半では2・4拍目のスネアが抜け、代わりにハイハットを強めに叩いている。

そして、フィルインで後半に入った後は再びスネアが復活する。

 

3番:Aメロ(2:15〜2:28)

君に存在価値はあるか

そしてその根拠とは何だ

涙ながしてりゃ悲しいか

心なんて一生不安さ

前半は、バスドラムとクラッシュシンバルを1拍目に鳴らすだけ。

後半にかけては、スネアが8分音符のリズムで連打される。

また、3番においては「不安さ」の音程も他と異なる。

 

この通り、Aメロだけ見ても、1曲内で多様な変化をしているのだ。

 

まとめ

Syrup16gのフロントマン「五十嵐隆」は、ソングライターとして類稀なる才能を持っている。

暗いのに希望が持てる歌詞、不思議な曲構成、飽きさせない楽器アレンジ

暗いだけだと聴く気が起きないが、上の3つが完璧なバランスで盛り込まれているのだ。

 

音楽好きにはストリーミング&レコードがおすすめ

本題とはズレるが、1つだけ話を聞いてほしい。

僕は、世の中の「音楽好き」は、皆ストリーミングとレコードで音楽を聴くべきだと考えている。

これらについては以下の記事たちにまとめてあるので、音楽好きには、ぜひ読んでいただきたい。

関連記事:音楽好きこそ、CDではなくレコードを聞くべき理由。

関連記事:8サービスを体験した筆者がおすすめする音楽ストリーミングとは?

関連記事:邦楽好きにおすすめのストリーミングサービスは「AWA」と「レコチョクBest」

ただ、ストリーミングサービスにおいて、残念ながらSyrup16gはアルバム1枚しか配信されていない。

しかし、以下の記事の通り、配信開始となるのも時間の問題だ。

関連記事:邦楽も近いうちにストリーミング配信されると言いきれる理由とは?

(この記事を書いた10日後にミスチル、1ヶ月後に椎名林檎の全曲配信が開始された。)

ぜひ、利用を検討してみてほしい。

それでは、また次回。

にょけん

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